1.TOPページ 1.田舎暮らしガイド 2.田舎移住体験記 3.週末田舎暮らし 4.スローライフのヒント 5.田舎暮らしの就業・起業 6.田舎暮らしの住まい

 1.田舎移住ガイド                                         http://inakalife.net/

『田舎暮らしに殺されない法』
自律と自立の必要を説き、安直な田舎暮らし礼讃のTV番組や書籍などへの盲従に警鐘を鳴らす

 長野県生まれで安曇野に長く暮らす作家が田舎暮らし志向の人に向けて書いた本。特にセカンドライフで田舎暮らしへの憧れを抱いている人向けのメッセージだ。田舎が何か夢のような生活の舞台であるかのような錯覚・思いこみを抱いて田舎暮らしを始めたら第二の人生を棒に振るという強烈なメッセージを発している。

 田舎移住を促進し、サポートする立場の自治体関係者や田舎物件を取り扱う不動産業界関係者などどは異なり、著者はそのような利害関係がない立場から田舎暮らしを紹介するというスタンスを明瞭にしている。おそらく前二者の立場に立てば、本書はすぐさま「禁書目録」に加えたくなるような1冊ではなかろうか。

 田舎暮らしには田舎暮らしなりのマイナス面があるのは当然のことであるが、それをあまり意に介さない人が多い。本書では、そのような伝統的な、また昨今の田舎の持つマイナス面を、近所づきあい、選挙、騒音、治安、医療などさまざまな事例を挙げて紹介している。

 いささか極論に過ぎる点もあるが、おおむね当を得た主旨となっていると思う。プラス面のみを羅列することも、マイナス面のみをあげつらうことも、共に事の本質をゆがめるという点では共通だ。「思いやり」を具体的なかたちにするとき、「優しさ」として現れることもあれば、「厳しさ」として現れる場合もある。評者は、本書は後者に立つものと理解される。巷間にあふれる田舎暮らし礼賛の情報がテーゼ(正)であるならば、おそらく著者は、アンチ・テーゼ(反)の立場からこの本を著したのであって、自らそれをアウフヘーベン(合)することなく、完全に個々の読者自身の問題として投げかける意図があるものと思う。

 そういう点では、何事にも(自分の生き方でさえも)他者に明快な答えを求めたがる、今日の異常なまでに依存性の強い社会の中にあっては、いささか刺激が強すぎないかという気もしないではないが、評者はこの本を読んだ程度で田舎暮らしへの夢やあこがれが砕け散る程度の人ならば、それはそれでよいと思うし、かえって幸せなことだと思う。

 この本は田舎暮らしがテーマではあるが、著者はそれを通して人間の自律と自立の必要性を訴えかけているものと評者は読んだ。すなわち都会か、田舎かという暮らしの「場」の問題で人の幸不幸が決定づけられるのではなく、自律心と自立心の有無が明暗を分けるという点に、評者はかなりの共感を覚える。

 評者が思うに、結局田舎暮らしやスローライフというのは、自分の生活を自分の価値観に照らして自分で構築しようとする生き方・ライフスタイルを、さらに生活の「場」を基準に分類してみた場合の一類型に過ぎない理解している。

 田舎暮らしへの志向を抱き始めた人が、田舎暮らしのすすめを内容とする他の良書を読んだ後にあわせて読むのに適した一冊だと思う。

TOP頁リスト頁頁先頭

『田舎物件はこうして探す』
田舎物件仲介・リフォーム業で得られた事例・ノウハウを豊富に紹介

 著者は、大分県で田舎不動産の仲介業や古民家再生などのリフォーム等住宅建築業を営む会社を経営する。本書はこの会社で実施した「100人アンケート」から得た情報を随所で紹介している。どのような調査法・抽出法を使ったのかは定かではないが、、田舎暮らしを始めた人への直接調査だけに、本当に「十人十色」という言葉がしっくり来るほどに、豊富なケースが紹介されていて興味深い。

 内容は、まず第1章で、「団塊の世代を考える」として、この世代の現役時代や人生論、セカンドライフのあり方などを紹介する。第2章は「なぜか若者も田舎に向かう」として、年代別の田舎暮らしの動機を紹介し、起業・就農などの計画・事例を紹介する。その成功の秘訣は、「よい物件の確保」と説くが、仲介業者だから云々ということはさておき、目的を明確にして最適な物件を確保するということは決定的に大切だと思う。

 第3章は「田舎暮らしのすすめ」としてその魅力と効用を説き、第4章は「田舎暮らしの実際」として具体的な生活場面ごとにアドバイスを展開、第5章「田舎での暮らし方、ベスト16」として、アンケート結果から田舎に求める暮らし方を多い順に紹介する。この辺は至って常識的な内容だ。

 次いで、第6章「田舎暮らしに向かない人」については簡潔にして要を得ており、続く第7章「田舎物件はこうして探す」も、実践的で未経験者なら気付かないような観点が具体的に紹介されていて、大いに参考になるだろう。さらに、第8章は「究極の住まい」として、家付き物件のリフォームとの関連での見極め方が解説されており、まさに著者の本業の領分だけあってとても参考になった。また、田舎暮らしに推奨できる家や設備等も紹介されている。

 第9章では田舎物件と関係の深い「農地法」との関わり方を解説する。第10章では、売買契約や諸費用、リフォーム費用について簡潔に解説し、第11章では田舎物件を求めている人のよくある質問と回答をQ&A形式で紹介する。第13章・最終章は本書全体の結び的な内容である。

 校正が雑なところが若干目立つが、豊富な事例紹介に加えて、やはり田舎物件の仲介業・建築業を展開している視点からの内容が、本書のオリジナリティといえよう。コラムも14編ほど、要所に挿入されているが、その中の「嫌なお客には売りたくない」は、秀逸であった。

 田舎物件探しを始めてみようかと考える前後が「読みごろ」の1冊と思う。

TOP頁リスト頁頁先頭

『山中湖<永住型>別荘生活』
定年後の別荘永住を考える人向けに書かれた山中湖別荘暮らしガイド

  著者は、定年2年前に退職後、プロのビデオカメラマンになり、八王子の自宅と山中湖の別荘を行き来する生活をしている。この本は、それ以来27年間の自身の生活経験などを中心に、定年後の別荘分譲地での生活を考えている人向けに書かれた山中湖の別荘生活ガイドである。山中湖の別荘地は富士急が開発した分譲別荘地であるが、その管理会社や別荘オーナーなどへの取材に基づく内容も含まれていて、近年の山中湖の別荘事情がかなりよくわかる。

 内容は、山梨県山中湖村の地域的・歴史的特性の紹介やその湖畔の分譲別荘地の説明である。また、その分譲別荘地内の生活環境などの様子が詳しく紹介されている。また、この地の別荘を入手する際の注意点やアドバイス、また実体験や取材を通じて得た生活上注意を払うべきことなどが解説されている。

 山中湖の別荘地は標高が高く夏は冷涼だが、冬の寒さはかなり厳しいらしい。また、冷涼とはいえ湿度が高いので、快適な別荘生活をするには、別荘の造り、水道の管理、暖房設備など、寒冷対策・降雪対策・湿気対策をきちんとしないと、さまざまなトラブルに見舞われるらしい。また、山中湖の四季の移ろいと別荘生活の歳時記の章もあり、かなりイメージが湧くことだろう。

 総じて、タイトル通りに山中湖の別荘ライフのための内容であって、リゾートの地域別や滞在頻度別などの違いを超えた別荘生活一般の解説本とまではなかなか言い切れない印象を受けた。しかし、山中湖の分譲別荘地やそこでの暮らしに関心の高い人や、首都圏在住で富士山の見える避暑別荘に関心のある人などには、大いに参考になることだろう。

TOP頁リスト頁頁先頭

『田舎暮らしができる人 できない人』
博識と実践経験に基づき田舎暮らし・スローライフへの適性を的確に解説

 著者は、1983年に軽井沢に移住し、長野県に住んで田舎暮らしなどに関する著書を多数執筆するとともに、農園とワイナリーを経営している。

 本書では第1章で田舎暮らしのライフスタイルの魅力が語られている。第2章では2007年問題とも言われる団塊世代のリタイアという大きな社会的変動の中で高まってきた田舎暮らし志向の何たるかを解きほぐし、第3章ではその移住先となる田舎社会の今日的状況を紹介している。また、第4章では「スローライフは忙しい」と題して、“ゆったり・のんびり”などと誤解されがちな田舎暮らしの実際を紹介する。「田舎暮らし」・「スローライフ」・「ロハス」とは何なのか、どういうことなのかが、堅苦しくなく、かつ的確に説明されている。章中の「田舎暮らしは男のロマンか」・「奥さんはなぜ田舎暮らしに反対するのか」の節は、ぜひ一読をすすめたい内容である。

 第5章は田舎暮らしの生活・生業について、産業革命をキーワードに交換経済と貨幣経済、家内工業と工場制、賃労働などの経済(史)的観点から解説している。経済学的な視点にきちんと立脚しながら、それでいて「頭でっかち」ではなく、実生活に密着したわかりやすい説得的な内容となっている。

 また、第6章は田舎暮らしの性格的な適性を平易かつ具体的に解説し、第7章では「田舎暮らしの心配ごと」として、田舎暮らしを躊躇させる「近所づきあい」・「医療」・「生計」などの問題に関する著者の体験・知見に基づく考え方が披瀝されている。最後に第8章では「農業をやりたい人へ」と題し、著者の実体験に基づくアドバイスやそこから体得した思索がつづられている。

 総じて、「田舎暮らし」の実体験に根ざした、それでいて主観的・自己満足的ではない論旨が心地よい。また、平易な文章でありながら、国際的視点や社会学的・経済学的素養の裏付けを十分に窺わせる。田舎暮らしを決断し、その第一歩を踏み出さんとしている人向けの具体的な方法を解説した本ではなく、その決断の前段階にある人に最適な本だと思う。

TOP頁リスト頁頁先頭

『リタイア後は田舎で暮らそう』
著者の豊富な知見から理想的なリタイア田舎暮らしのスタイルを提言

 著者は、Webサイト「ふるさと情報館」や『月刊 田舎暮らしネットワーク』を運営・発行する会社の代表取締役。1990年以来田舎物件を仲介してきた得た田舎暮らしの知見をもとに、リタイア後の田舎暮らしについて、さまざまなケースを紹介し、アドバイスした本である。

 全体は9章立てで、前半は田舎に居を構えるまでの事例が紹介されている。第1章「人生 新たな出発」では、田舎暮らしに踏み切った人の前半生を概観し、なぜ田舎暮らしに踏み切った経緯を紹介する。「第2章 家族の同意」では、夫は田舎志向だが、妻は都会志向など、夫婦間でライフスタイルの志向が一致しない場合の、さまざまな田舎暮らしスタイルのあり方を紹介する。「第3章 田舎の選び方」では、事例を紹介しながら、エリア探し・物件探しの要諦をアドバイスする。「第4章 田舎暮らしの住まい」は、ログハウスのセルフビルド、古民家再生など、田舎暮らしにふさわしい住まいづくりを紹介する。

 後半は、田舎での生活や生業、地域との交流などの事例紹介と提言である。まず、「第5章 田舎暮らしの日々」では、実際の田舎暮らしの事例紹介である。事例ごとに歳時記風に紹介されていて、イメージが湧きやすい。「第6章 田舎での仕事」では、これまでできなかった自己実現をはかる、都会で培ってきた自分のスキルやネットワークを活用して地域づくりに後見するなど、リタイア田舎暮らしならではの起業事例を紹介している。「第7章 地域のかかわり」では、一般的なあいさつ・自治会などの近所づきあいなどの生活領域にとどまらず、趣味・特技などを活かした仕事・ボランティア活動など一歩深化した地域との関わり方をしている人の事例を紹介し、そのような関わり方をすすめている。「第8章 シングル女性の田舎暮らし」は、都市でのシングル世帯の増加現象を踏まえて、単身で田舎に移住する事例を紹介する。

 「最終章 世界の田舎暮らし事情」では、イギリス・フランス・フィンランド・ロシア・アメリカ・韓国の事例を紹介し、「田舎から都会へ」から「都会から田舎へ」の転換の必然性・必要性を説いて結びとしている。

 全体的に事例紹介をしながら提言・アドバイスを添える体裁をとっており、押しつけがましくないのがよい。また、ボリュームや構成もシンプルで読みやすいものとなっており、価格的にも手頃な1冊だと思う。

TOP頁リスト頁頁先頭

『月10万円で豊かに生きる田舎暮らし』
田舎の経済や田舎暮らしの生計に関する記事を多く執筆している著者の書き下ろし文庫本

 田舎暮らしについて、特に経済・生計の観点から雑誌『田舎暮らしの本』などに記事を執筆してきた著者による、田舎暮らしの生計をメイン・テーマとする田舎暮らしガイドである。内容はその観点でコンパクトにまとめられているが、要するに「消費」が生活の中心をなす都市生活に対して、田舎は「生産」中心の場であり、都会の家計は概して高収入・高支出なのに対して、田舎は貨幣経済に依存する比率が低く、低所得であっても支出が少なくて済むので、それなりに豊かに暮らしていけるというのが主旨のようだ。

 ただ、その内容たるやよしであるが、このことを説明せんがために、わざわざ書名に「月10万円」を謳い、ことさらに「月10万円」を随所に書く必要があるのかというのが、評者の率直な所感である。以前にちょっと話題になったテレビ番組(出版化もされているが)にあやかって、書籍の売り込み戦略上、このようにしているだけかもしれない。しかし、世の田舎暮らし志向を持つ人々の多数は、「月10万円」で生活したいがために田舎を目指すのだろうか。また、「月10万円」で生計を維持したいがために田舎で生業を求めるのだろうか。

 まったく評者の主観的な見解であるが、「月10万円」を前面に押し出す田舎暮らし関連「情報」は、田舎で生計を立てること、生活の場を田舎に求めること、すなわち田舎で自己実現を図ろうとする人の志を本末転倒的に陳腐化させているような気がしてならない。今の世の中、現金収入なしには暮らせないのは当然だが、現金(10万円)を稼ぐために田舎暮らしを始めるわけではない。

 さて、内容であるが、第1章は「田舎暮らしが楽しい理由」と題して、収入が多くなくても経済的・心理的に「豊か」に暮らせるのかを解説している。第2章では「田舎の格安住宅事情」として田舎不動産の売買・賃貸事情を説明する。また、第3章「とれたてを味わう食生活」では、生活・家計の中で高い比重を占める食生活、特に自家用に食材を「生産」することを取り入れる生活について解説する。

 第4章は、「田舎暮らしを実現した人々」として、田舎に移住した「人」を切り口に、5例ほどケースを紹介することで、読者の田舎暮らしのイメージにふくらみをもたせる試みとなっており、そのルポは十分に成功していると感じた。さらに、終章になる第5章では、即物的に「田舎で月10万円を稼ぐ方法」と題して、田舎での求職や起業などのヒントやアドバイスが示されている。

 書名には強烈な違和感を抱く評者ではあるが、内容は平易で読みやすく、文庫本というハンディさや手ごろな価格も手伝って、家計・生計の立て方をテーマにすえたコンパクトな田舎暮らしガイドブックとして、特に経済的な条件について興味関心のある方は、一読しておいてよい本だと思った。

TOP頁リスト頁頁先頭

『定年からはじめる田舎暮らし完全ガイド』
鹿島エリアで定年田舎暮らしを提案するオーシャンロッジ(株)をアピール

 この本は、大都市近郊のいわゆる「トカイナカ」での定年後田舎暮らしをすすめている。書名を見て、定年後田舎暮らしを総合的に解説した本かと思ったが、読者は首都圏在住で定年田舎暮らしを考えている人が主対象のようである。

 エリアの比較については、軽井沢・那須エリアなどは寒い、また伊豆・湘南エリアも含めて昔ながらの人気エリアは、平坦地が少ないから大変、シーズンには渋滞する、喧騒で落ち着かない。海に近すぎると塩害がある。これに比べて茨城・千葉は温暖で平坦であるが、千葉は開発が進んでいて地価が高いなど、首都圏近郊のエリアの問題点をたたみかけるように指摘して、よほどの山好き・海好き、体力に自信がある人でない限りは、鹿島エリアへの移住がよいとすすめている。

 各エリアには、それぞれに一長一短があって、自分たちはその何を取捨選択するかというのが、エリア探しの要諦だと思う。鹿島エリアにしても、現地に行ったことがないので断定的なコメントはできないが、本書で指摘されている長所の他に、やはり何らかの短所があって然るべきだろう。

 いずれにせよ、「完全ガイド」というには、少しく展開が性急に過ぎる違和感を覚えたので、読むのをちょっと中断してネットで調べてみたら、オーシャンロッジ(株)は本書巻末のプロフィールに社名はないが、監修者が会長をつとめる企業の関連会社であることがわかり、納得がいった。「トカイナカ・鹿島エリア」の魅力や、そこでの田舎暮らしを不動産販売のみならず、全面的にサポートするという事業内容を大々的にアピールするのであれば、それとわかるような書名にしてもらえると、読者の本選びにはとても助かる。

 この本は、特に首都圏在住の定年田舎暮らし志向で、「鹿島エリア」に強い関心がある人が一度読んでみたらよいと思う。なお、この企業のサイトから資料請求する際に、「本希望」と申し込めば、本書をプレゼントしてくれるとのことだ。

TOP頁リスト頁頁先頭

『団塊世代の田舎暮らし』
セカンド・ライフ・スタイルとしての田舎暮らしのすすめ

 著者は、福岡市から長崎の海辺に移住し、田舎暮らしのプランナーとしてSOHOのスタイルで仕事をしている。「All About」の「田舎暮らし」のオフィシャル・ガイドでもある。この本は、団塊世代にターゲットを絞り、セカンドライフ・スタイルとしての田舎暮らしをすすめる内容となっている。

 第1章は、「準備編」として、家族内の話し合いや情報収集、ライフスタイルのデザインなどにふれる。第2章は、「体験編」として、田舎暮らしに踏み切る前段階での、プランの実現に向けたアクションやその起こし方などを解説する。第3章は、「計画編」として、住居の確保、求職、家計などのあり方をアドバイスしている。第4章は、「実践編」として、近所づきあいやライフスタイルなどの心得を解説している。終章になる第5章は、「目標編」として、マルチハビテーション(複数居住)、興味のある分野での地域コミュニティづくりへの参加、パソコン・インターネットの活用、田舎暮らしならではの知的活動など、セカンド・ライフをアクティブで充実したものにするための提案が示されている。また、最後の節では、いつかは来る「第3の人生」にも言及している。

 各節の構成は、そのテーマに関する解説やアドバイスを書いた上で「パーソナル・ケース」として、著者の実体験や伝聞によるエビソードが綴られている。この書き分けが小気味よいメリハリを生んでおり、それぞれの内容も要領を得た、ためになる、楽しいものとなっている。

 また、この本の魅力は、著者自身が田舎暮らしの実践者で、その方面の専門家であるということに支えられているが、加えて特筆したいのは、著者自身が団塊の世代であり、時代感覚を共有してきた者として、同世代の読者に同じ目線に立って呼びかけるかのように様々な提案をしている点である。田舎暮らしに憧れる団塊の世代に、ぜび一読をすすめたい本である。


TOP頁リスト頁頁先頭

『夫婦いっしょに田舎暮らしを実現する本』
田舎移住・田舎暮らしを夫婦で実現したい人のための参考書

 「田舎暮らし」をしたいと言っても、配偶者がいれば自分の一存で揃って田舎移住というわけにはいかない。夫婦で志向が合致すれば幸いなことだが、そうではない夫婦の方が多い。この本は、そのような田舎暮らし志向の人が伴侶とどのようにコミュニケーションを重ねて田舎暮らしを実現させたらよいかということをまとめたものである。内容は、移住者へのこのテーマでの直接インタビュー、「田舎暮らしライター」として著者が豊富な取材情報から蓄積してきた実例、不動産業者の立場で知り得た情報などを素材としている。

 この著者による本は、「田舎暮らし」・「田舎移住」について、手放しでユートビアであるかのようなイメージやムード・幻想を振りまかない堅実な内容であり、この本でも本文中で夫婦は十人十色、特効薬はないという趣旨のことを断りつつ、夫婦共に田舎移住するにあたってのさまざまな課題や参考になる話の進め方などを解説している。

 第1章では、「脱都会」・「田舎移住」をためらわせるさまざまな要因を解説している。第2章は、ノウハウ編で夫婦で円満移住するための方策を紹介する。第3章は、夫婦で田舎移住を実現したり、充実した田舎暮らしを送るために役立つ考え方、移住や生活の障害となる事柄への対応などが解説されている。さらに、終章の第4章は、どうしても田舎移住が実現できない場合、その折り合いの付け方として出てくる「都会と田舎の二重生活」について、その課題や、さまざまな二重生活スタイルのあり方などが解説されている。

 著者も指摘するように、田舎移住・田舎暮らしの計画・実行にまつわる問題は、そのままひとりの人間、さらには夫婦の人生のあり方の問題である。結局、田舎暮らしを思い立つと否とを問わず、夫婦の生活の将来を真剣に考える営みは、良きにつけ、悪しきにつけ、これまでどのような夫婦関係を築き上げてきたがそのまま問われる問題だと言えそうだ。

TOP頁リスト頁頁先頭

『失敗しない田舎暮らし入門』(文庫版)
田舎暮らしの「バイブル」とも言うべき入門書の文庫化

 改訂を重ねて第3版(2004年4月)まで刊行されている、『失敗しない田舎暮らし入門−土地や家の取得法から土いじりの楽しみ方まで−』が、今回文庫本になって刊行された。第3版を底本としているが、文庫化するにあたって写真や図版がかなり省略されている。

 内容は、最近の田舎暮らしの潮流を解説した序章に始まり、田舎とはどのような生活の場かという解説、田舎物件の探し方、敷地の造成や家屋の建築と給排水設備などのプランニング、田舎暮らしの楽しみ方などの4章立てになっている。今回、改めて文庫版を読んだが、やはり何回読んでも、本格的に田舎暮らしを検討しようと思ったら絶対に読んでおくべき1冊であると感じられた。

 田舎暮らしに関する20年にも及ぶ豊富な取材経験と著者自身の田舎暮らし体験に裏打ちされた田舎暮らし入門の決定版が、1,000円札を出しておつりが来る金額で、ハンディな一冊になったことの意義は大きい。通勤電車の中でポケットから取り出し、じっくりと読みたい本である。

TOP頁リスト頁頁先頭

『田舎で暮らす!』
はじめの1冊にしたい、豊富な田舎取材に裏付けされた「田舎暮らし概論」

 この本は、長く田舎の取材を続け、森林や里山などに関して積極的な提言をしているフリージャーナリストによる田舎暮らしの入門書である。田舎移住のためのノウハウを詳論した入門書とは異なり、いわば「田舎暮らし概論」ともいうべき性格の本である。

 田舎の実情、移住先の探し方、田舎での就業・起業をはじめとする田舎暮らしによる夢の実現例、地域での交際、子どもの教育、田舎暮らしに多いさまざまな事故の危険性など、多岐にわたって解りやすく解説されている。特に、その地元の人々は、田舎への移住者やその行いをどういう風に感じ、捉えているかという点の紹介が豊富なのは、田舎での取材とそれに付随して耳目に触れた広範な情報を持つ著者ならではといえよう。また、プライバシーに配慮して人名は言うに及ばず地名等も伏せているが、いざ移住してからの失敗例などが随所に盛り込まれているのも特色である。

 さまざまな田舎暮らしのスタイルに応じた言及も見られ、読みやすくコンパクトにまとまった「田舎暮らし概論」であり、かつ新書版という手軽さもあるので、田舎暮らしを考えたらまず最初に手にとって読んでみるとよい1冊だと思う。 

TOP頁リスト頁頁先頭

『農村をめざす人々 ライフスタイルの転換と田舎暮らし
時代や地域特性でみた田舎移住者のヒューマン・ドキュメント

 この本は、時代や地域によって異なる田舎移住者たちの生い立ち、信条や夢、移住の動機とその過程、現在の生業やライフスタイルの聴き取り調査を行い、それをリアルに簡潔に紹介しようと試みた本である。いわゆる田舎移住ガイド本とは異なり、調査相手の話す内容を調査のやりとりや調査員の意見を含めて記述するヒューマン・ドキュメントという手法をとった田舎移住者の社会調査レポートである。調査フィールドは、北海道の新得と富良野、山形県の高畠、京都府の美山の3カ所で、新規就農や農的生活、住環境志向の田舎暮らしの実践者を紹介している。

 このように、田舎移住を社会学の手法で分析した本であるが、学術書的な堅苦しさは少なく、むしろ田舎暮らしの実例が全部で20数例にわたって簡潔にして要を得たかたちで紹介されている。田舎移住の時代的特性や地域的特性をくっきりと浮かび上がらせており、とても読みやすく感じられた。価格も手ごろでボリュームも100頁強と薄い。調査フィールドが田舎移住者にとっての人気スポットだけに、同地に興味のある人にはきっと参考となることだろう。

TOP頁リスト頁頁先頭

『月10万円で豊かに暮らせる町&村』 vol.1
TV番組を活字化した田舎暮らしのサンプル集

 この本は、テレビ東京系で放映中の同タイトルの番組内容を出版した本である。系列局のない地域では馴染みがないと思うが、1時間番組で得たそのギャラで何ヶ月暮らせるんだろうという司会者やゲストの方々が、映像を見て、「いや〜、すてきですねぇ〜」・「ぜいたくですねぇ〜」・「うらやましいですねぇ〜」などのコメントを連発している番組だ。

 この本は、各ページともカラー写真が豊富で、レイアウトが洗練されていると思う。その内容は、29の町村を、4章立てで、「自然の恵みを存分に味わえる町&村」・「家族の絆が強まる町&村」・「やりたいことに出会える町&村」・「日本人でよかったと思える町&村」という意味不明瞭なキーワードで分類し、紹介している(それ以外の町&村はそうではないということか?)。

 また、「移住のホンネ!」と題した移住者のコメント(ホンネというほど大げさではない)や、第5章に10ページほど書かれている移住に関するアドバイスは、田舎移住のさわりとしては参考になるかもしれない。全体的にみて、日本全国にはこんな町や村があります、こんな家族が生活していますという、サンプル集のような本である。

TOP頁リスト頁頁先頭

『図解 田舎暮らし』
田舎暮らしをおもしろおかしく解説したノリの軽い解説本

 この本は、見開きの右ページに説明文、左ページに図解という構成をとり、田舎暮らしをおもしろおかしく解説している。良くも悪しくも、ノリは非常に軽い。今までにないスタイルの田舎暮らしガイドブックだ。

 帯に「田舎暮らしを夢見たら、読む本。」とあるが、読むならば、まさに「夢」の段階のうちに読むべきだろう。不動産や残りの人生のあり方などの重い課題を負いながら、田舎暮らしに踏み切るかどうかを真剣に悩んでいる段階で読む本ではないと思う。

 また、編者の「田園生活推進班」の方々は、どれだけ真摯に田舎暮らしを推進しようとされているのか、どの程度きちんと実地に取材して執筆されたのか疑わしい記述があるのが残念だ。1例だが、P.62の「アルミ製スコップ」の解説コメントに、「カチカチに凍った雪を処理する」とある。しかし、そのようなことは絶対不可能なのが、雪国の常識だ。「カチカチに凍った雪」には、剣先スコップですら歯が立たない。


TOP頁リスト頁頁先頭

『田舎暮らしをさっさとやろう』
モチーフ別に田舎暮らしの留意点を総花的に解説

 この本は、「田舎暮らし」をしようとしている人へのマニュアル本である。動機別・志向別にその留意点をあげ、情報収集・田舎体験・不動産取得・就業や起業などのアドバイス、自治体の支援策などの紹介、農作業のガイドなど、取り上げる」範囲は、田舎暮らし全般にわたっている。

 しかし、「さっさとはじめよう」という書名のわりには、内容がクイック・マニュアル的ではない。田舎暮らし志向の高まりの要因を解説し、さらに移住までの経緯や移住後のライフスタイルごとに16パターンにまで細分して田舎暮らしを紹介するなど、分析本かと思うほどに総花的である。

 また、この本には、個人的実体験や取材体験など、著者の経歴に関する情報がそれとして明示されていない。さらに、特定人物のオリジナルな体験も紹介されていない。人生の転機となる決断を、ソースが不明な情報に左右されることがあってよいものだろうか。


TOP頁リスト頁頁先頭

『いつかは海辺の家で暮らす』
海辺暮らしに焦点を絞った役立つアドバイスが満載

 この本には、海辺の暮らしの魅力、実践例、物件入手の留意点、住まい方、近所づきあい、生活の楽しみ方、著者が理想とするハワイの海辺暮らしの紹介、日本各地の海辺エリアガイドなど、海辺の暮らしに関する情報がふんだんに盛り込まれている。単に、海辺のプラスイメージのみを振りまくことはせず、海辺の暮らしならではの難点もきちんと伝え、その対策も解説している。

 また、「どこで暮らすか」より、「どのように暮らすか」が大切という、筆者のいちばん発信したかったであろうメッセージが、全体を通じてよく伝わってきた。

 田舎暮らしを紹介した本は数多いが、もっぱら海辺の暮らしに内容を限定した本は稀少であり、その上、内容の質・ボリュームとも十分で、海辺の暮らしにあこがれる人、特に海辺で生活した経験のない人には、必読の書といえる。


TOP頁リスト頁頁先頭

『100万人のふるさと回帰宣言!』
田舎移住支援運動の趣旨と方向性を示したパネルディスカッションを収録

 JA全中のよびかけで、連合・生協・漁協・森林組合などの多くの団体が参加して始まった「100万人のふるさと回帰運動」の趣旨や経緯、活動の方向性などを示した本である。内容はシンポジウムのパネルディスカッション収録集の形式となっている。

 この運動は、都会に住むIJUターン(移住)志望者を支援する一大組織運動であり、このような支援活動があることを知るならば、移住志望者には心強い限りだろう。

 ただし、農山漁村サイドの組織のよびかけで始まったためか、「ふるさと」・「回帰」という、指し示す概念が限定的な語句を用いたネーミングが気になった。運動の支援対象となる多様なIJUターン(移住)志望者個人の耳目に触れたとき、広範な志望者に違和感なく受け容れられる言葉だろうか。

 それはともかくとして、本書は、都会人にも、農山漁村で暮らすに人も、自らの生活空間と生活様式を見つめ直すきっかけとして有益な本であると思う。


TOP頁リスト頁頁先頭

『田舎暮らし虎の巻』
本気で考える人が腰を据えて読むべき重量級の田舎暮らし入門

 本書は、「ふるさと情報館」の運営会社の代表取締役による田舎暮らし入門である。ハードカバーの装丁で、全9章351頁とボリュームたっぷりの書である。

 まず、@最近の田舎暮らし指向の概観に始まり、Aさまざまな田舎暮らしのスタイルを紹介する。ついで、B知っておくべき田舎の土地事情を解説し、C居所の定め方、D土地の購入の方法に説きおよぶ。さらに、Eあとで知らなかったでは済まされないライフラインの知識、F田舎の住宅事情と住まい方、G菜園づくり、下水処理、ごみ処理、薪の利用などの生活全般の解説、H田舎社会の特質とつきあい方などが説明されている。著者が多くの田舎暮らし実践者を見てきただけあって、どれも豊富な実例で解説されているのが特徴である。いざ行動を起こす前に一読しておきたい本といえよう。

 ただし、質・量ともに肉厚なので、田舎暮らし関係の本をちょっと読んでみたいというニーズには向かないだろう。重量級の書であるが、各節の末尾にその要点を「虎の巻」として2〜3項目の箇条書きでまとめている配慮が心にくい。


TOP頁リスト頁頁先頭

『田舎暮らしバンザイ!!』
Webサイトのリンク集を思わせるライトな農的田舎暮らしのすすめ

 この本は、読者に農的田舎暮らしの情報を提供し、それをすすめている。

 第1章は、全国各地のグリーンツーリズム、体験民宿、ワーキングホリデー、貸し農園、クラインガルデンを紹介している。第2章は、セカンドハウス編とし、別荘暮らしを営む4家族の事例と不動産物件の紹介からなる。第3章は、移住編として、花き栽培・養鶏・ワインブドウ栽培・水稲耕作中心の複合農業経営などを営む人の事例を紹介し、また新規就農の資金繰りを解説している。第4章では、田舎暮らしサポート情報として、自治体の支援制度や田舎暮らしサイト、就農準備校の情報を紹介している。

 まるでWebサイトのリンク集のような本で、良くも悪しくも「軽い」本であり、ページ数や価格のわりに数時間であっさり読み切れる。インターネットに馴染みのない「熟年」層をターゲットにした本だろうか。

 また、この本には、巻末にも裏表紙やカバー・帯にも、編著者の紹介が見られない。編著者の顔が見えない本と生産者の顔が見えない農産物というのは、やはり安全性や品質に不安を抱いてしまう。


TOP頁リスト頁頁先頭

『失敗しない田舎暮らし入門』
ボリュームが適切で役立つノウハウ満載!田舎暮らしの教科書

 著者は有名な『田舎暮らしの本』の創刊当初からの取材スタッフであり、田舎暮らしの地域選びから、田舎社会・生活・仕事・法律知識、不動産取得、水の確保など必要不可欠な田舎暮らしのノウハウが解説されている。家庭菜園・食品加工・動物や木の管理など、田舎暮らしをより楽しむための知識も盛りだくさんである。

 田舎暮らしにあこがれを抱いた人が、田舎暮らしを現実のものとしてイメージするときに一読したい一冊で、まずこれを読んで進むか退くかを判断するとよいように思う。「失敗する」田舎暮らしとは、都会人が非現実的で楽観的なイメージだけで実行に踏み切ったケースが多いようだ。


TOP頁リスト頁頁先頭

『40歳からの都会2田舎8の生活術』
都会との仕事の結びつきを切らないスタイルの田舎暮らしを解説

 著者は40歳で出版社を辞め、摩周湖で有名な北海道の弟子屈町(てしかがちょう)にログハウスを建てて移り住んだフリー・ライターである。著者が
勧めるのは、都会を捨てて田舎移住することではない。著者自身のライフスタイルに見るように、都会との結びつきを保った上で、そこから仕事・収入を得て田舎で暮らすスタイルである。

 第1章は、主に著者自身の田舎移住と田舎暮らしの紹介、およびその体験で得たアドバイスが記されている。第2〜4章では、「遠距離通勤型」・「在宅勤務型」の田舎暮らしをする人の例とそこから得られるアドバイスが紹介されている。また、地方都市で職を得て、その郊外で生活する「地方都市通勤型」、パソコンとネット回線を駆使する「SOHO型」、都会にセカンドハウスを持つ「都会セカンドハウス型」、都会の会社との打ち合わせなど、必要な時のみ都会に出向く「ときどき出稼ぎ型」などの例も紹介されている。章末に、そのタイプごとのメリットやデメリット(克服すべき課題)を整理し、並記している点で、単なる田舎暮らし礼讃や田舎暮らしブームにあやかった本とは一線を画している。また、終章(第5章)では田舎暮らしの現実を知らないと見誤りがちな様々なアドバイスを提示して全体を締め括っている。

 年金生活者はともかく、現役世代が都会から収入を得られて田舎暮らしと聞くとかなり魅力的ではある。しかし、出版関係・IT関係などがわかりやすい例であるが、基本的にそのようなライフ・スタイルは、都会の企業などで築き上げた特別なスキル、実務経験を伴う資格や稼ぎ出した資金、そして人間関係などが前提となっているのであり、田舎移住を実行に移すかなり前の段階からのキャリア・アップが不可欠のようだ。

TOP頁リスト頁頁先頭

『田舎暮らしの大きな落とし穴』
不動産業者が見た失敗例に学ぶ田舎暮らしのアドバイス

 福島県在住で、田舎暮らしを受け容れる不動産業などを手掛けてきた著者が、15年間にわたって体験し、見聞してきた失敗例の数々から、田舎暮らしを計画している人へのアドバイスを綴った本である。

 田舎暮らし関連の本といえば、商業目的からすてきなイメージを先行させたり、サクセス・ストーリーを前面に押し出す本が多い中にあって、それとはスタンスを異にする個性的な本である。無い物ねだりをすれば、田舎暮らしから撤退した人の手記や取材レポートなどをまとめた本の出版を望みたいが、そのような内容を出版にこぎ着けられる実現性は極めて低いだろう。したがって、田舎暮らしに失敗した当事者による体験記ではなくとも、資金計画・土地探し・契約などの不動産の入手法、間取や立地等の住居に関するアドバイスなど、この本の内容は一読の価値がある。

 特に、自分の志向やライフスタイルの変化を十分に考慮すべきとする提言が強く印象に残った。


TOP頁リスト頁頁先頭

『成功する田舎暮らし入門』
見やすい、読みやすい、解りやすいの3拍子揃った田舎暮らし入門

 この本は、タレントの清水國明とダニエル=カールの田舎暮らしの対談から始まって、「自然と暮らす」5例、「山の麓で暮らす」4例、「田舎で店を開く」3例、「自給自足」3例、「アート活動」3例と、各地での田舎暮らしの実例を紹介している。カラー写真をふんだんに配しており、イメージが湧きやすい。

 また、後半は田舎暮らしの実践手順、計画時の注意点、地方自治体の支援策、体験ツアーなどが細かく紹介されている。また、田舎での仕事についても、自営業・農業・漁業・林業・資格取得・職業訓練校の利用などの概要も紹介している。不動産取得・資金繰り・近所づきあい、SOHOや定年後の田舎暮らしに至るまで、さまざまなノウハウが解説されていて参考になる。

 前半の田舎暮らしの実践例といい、後半の実践のためのノウハウといい、内容がとても充実していておすすめできる。見てよし、読んでよしの内容なので、私は、買ってから少なくとも3回は読んだと思う。


TOP頁リスト頁頁先頭

『選択・定年田舎暮らし』
自分のあり方とふさわしいライフステージを考えさせてくれる定年田舎暮らし入門

 この本は、月刊『田舎暮らしの本』(宝島社)に1997〜99年に掲載された著者の記事を中心に編集されている。

 新しい自立した人生を求め、定年退職・早期退職後、自然を身近に感じながら暮らすことを決めた夫婦の、移住するまでの経緯や移住後の暮らしぶりを、10例近く紹介している。これらの人たちは、自らが必要とされていることや自分の日々の仕事にやりがいを感じて生活し、柔軟な思考や旺盛な好奇心を持ち、心身共に健康で、明るく積極的に生きているという。

 この本は、このような暮らしを始めるにあたってのノウハウやお役立ち情報の類を伝えることを目的とした本ではない。そのような情報は、他の本に求めるべきであろう。この本を読む際には、どのような考えを抱いた人が、どのような暮らしを営んでいるのかというシンプルな観点に立ちたい。そうすれば、読者自身が何を考え、何を求め、どうしたいのかという「自分像」が明確になることだろう。


  TOP頁リスト頁頁先頭  

『40歳からの田舎暮らし』
人生のセカンド・ステージを田舎に定めた人の事例を多数紹介

 この本は、『週刊 東洋経済』に1991〜95年に連載された著者による連載記事「人生二毛作」を再編集したものである。中では、人生の途中から活動の拠点を自然の豊富な田舎に定めた24人の例が紹介されている。工芸やNGO活動を始めた人の例も紹介されているが、就農者の例が多く、各地でさまざまな作物づくりに奮闘している。

 1人に6〜8頁ほどの紙数で、個人や家族のプロフィール、田舎暮らしに至る経緯や資金調達、移住後の活動の様子や今後の方向性などがコンパクトに紹介されていて読みやすい。これから田舎暮らしを始めようとする人へのアドバイスなども記されている。今となっては10年前の本であり、紹介されている人の中には自らの田舎暮らし体験などを単著として出版している人も何人か見受けられる。しかし、1冊の本の中でとりあげられている事例が豊富なのと、内容が簡潔でいたずらに冗長ではない点で、今なお読んでみる価値はあるだろう。ガイド本ではないが、多くの有益な情報が吸収できる、要を得た田舎暮らし事例集だと思う。

  TOP頁リスト頁頁先頭